西洋豆本の世界
Part 1
豆本とは―
天地3インチ(約75ミリ)以内の小型本の事を言います。
18世紀末迄は、天地4インチ(約100ミリ)をそのサイズの上限としていましたが、19世紀以降は天地3インチ以内に定められ、 今日でも天地3インチ以内が世界的規定とみなされています。
さらに豆本はサイズによって、主に以下の三種に類別されます。
□3インチ本(天地50ミリ〜75ミリ)
□ドールハウス本(天地25ミリ前後)
□マイクロ・ブック(天地10ミリ以下)
豆本の歴史は非常に古く、書物の起源とされている古代の粘土板 古文書は、同時に豆本の起源でもあると言えましょう。
活版印刷術発明以前の中世の写本でも、しばしばミニチュア版が制作された事は、よく知られています。
活版印刷術が発明されて程ない1486年には、既に印刷による最初の豆本
"Officium Beatae Virginis Mariae" (Mathias Moravius, Naples)
が刊行されています。
ミニチュア彩飾写本原葉:
聖務日課書
15世紀 フランス
シュメールの粘土板古文書
紀元前3000年前後
PART2へ続く
miniature book oval saloon Lilliput